弊社が製造する自転車は工場出荷時に点検・調整済みですが、運送時の振動などにより調整に狂いが生じる場合があります。
そのためブレーキ・変速機については購入後に点検・再調整をお願いする場合がございます。(これらの調整は製品保証の対象となりません)
また、ブレーキや変速機に使用するワイヤーは、細い金属糸をよりあわせて作られているという性質上、強い張力がかかると(ワイヤーには常に張力がかかっています)、
使用していくうちに「初期伸び」と言われる現象が発生し、変速機やブレーキに微妙な狂いが生じることがあります。
このような場合は以下をご参照いただき、調整をお試しください。
■デュアルピボットキャリパーブレーキの調節方法
1.ブレーキシューのセンタリングを確認。
タイヤのセンターに対してキャリパーブレーキのセンターを確認します。
センターが取れていない場合、片効きしている状態の場合は、画像中の調整ネジを調節します。
時計回りに回すとブレーキシューが右に移動します。逆の場合左に移動します。
2.ブレーキシューのクリアランスを確認。
リムに対してブレーキシューのクリアランスが3~4mm程度になるように調節します。
クリアランスが大きい場合は、一度ブレーキワイヤーをキャリパーから外します。
キャリパーアームを両側から適当なクリアランスになるまで挟み込み、その状態でブレーキワイヤーを再びキャリパーに取り付けます。
調整の幅は小さいがクリアランスを微調整したい場合は、ブレーキキャリパー上部にあるケーブル調整ナットを回して調整します。
■シングルピボットキャリパーブレーキの調節方法
弊社のキャリパーブレーキを装備する車両【FX02・FX03・FX04・203CR・209等】は、サイドプル・キャリパーブレーキのシングルピボットを採用します。ブレーキ本体と左右ブレーキアーチをFフォークの股下に1本のボルトで固定するタイプで、動作のバランスはVブレーキに比べ調節が難しく、バランスが少しでもずれると片効き状態になりやすい傾向があります。
●キャリパーブレーキの調節方法
キャリパーブレーキのワイヤー止めを解除します。【画像:203CR】
左右ブレーキアーチ(キャリパーブレーキ)を片手で挟み、リムに接触させた状態でワイヤーを下に引き、ワイヤー止めナットを仮止めします。
続いてワイヤー止めナットを締め上げ、完全に固定します。
ブレーキレバーを握りブレーキの遊びを調節します。左図のネジを時計回りに締めると(ネジ先が下に位置する)ワイヤーが引っ張られキャリパーとリムの間隔が短くなり【下図左】、ネジを反時計回りに緩めると(ネジ先が上に位置する)と間隔が大きくなります【下図右】。一般的にシュークリアランス[シューとリムの間隔]が1mmが理想とされています。
●ブレーキが片利きする場合[シューとリムが接触している]
ブレーキは通常、ブレーキレバーを握ると左右ブレーキシューが同時にリムを挟む様に連動しますが、輸送中の振動等により調節にずれが生じる場合あります。下記項目の①、或いは②を調節することで改善されます。
1.ブレーキが片利きする場合[シューとリムが接触している]
上図は右が正常の取り付けられた状態で、左が若干左斜めに歪んでいます。正面から見てブレーキ自体の歪みが見受けられる場合、Fフォーク裏側の取り付けナット【左図】を緩め、左右ブレーキシューとリムの間隔が均一となる部分で固定します。この部分の締め上げが弱いと再び歪みが発生する為、確実に固定します。
2.片側のブレーキアーチしか動かない。
キャリパーブレーキ前面に位置するナットは、アーチ(ブレーキ)の戻り(動き)を調節することが出来ます。時計回りに締めると戻りが鈍くなり、反対に緩める事で戻りが強くなります。ブレーキレバーを何度も握りながら調節ナットを回し、左右が同時に動くポイントがあれば、その位置で袋ナットをかぶせ固定します。
上記以外の事例として、内部コイル(針金)の歪みにより片効き生じる場合があります。
コイルに歪みが見受けられる場合は、走行中にブレーキが動作不良を起こす恐れがある為、早急に部品交換をお勧めします。