弊社が製造する自転車は工場出荷時に点検・調整済みですが、運送時の振動などにより調整に狂いが生じる場合があります。 そのためブレーキ・変速機については購入後に点検・再調整をお願いする場合がございます。(これらの調整は製品保証の対象となりません) また、ブレーキや変速機に使用するワイヤーは、細い金属糸をよりあわせて作られているという性質上、強い張力がかかると(ワイヤーには常に張力がかかっています)、 使用していくうちに「初期伸び」と言われる現象が発生し、変速機やブレーキに微妙な狂いが生じることがあります。 このような場合は以下をご参照いただき、調整をお試しください。
※クロスバイクやMTB(マウンテンバイク)などのスポーツ車、折りたたみ自転車などに使用されているVブレーキの遊びや効きを、ブレーキアーム(ブレーキキャリパー)側で調整する方法を解説しています。SHIMANO(シマノ)・TEKTRO(テクトロ)などのメーカーやコンポーネントのグレードを問わず、広く一般的な種類のVブレーキを調整する方法です。
Vブレーキは1本のブレーキワイヤで左右ブレーキキャリパー(ブレーキキャリパーA、B)を同時に動作させるため、ワイヤーの張り具合を調整することでブレーキの効き具合をコントロールできます。
ブレーキの異音は機能のうえでは問題無い場合が多いですが、そのまま放置しているとトラブルが発生する場合もあります。
異音がしたら下記を点検していただき、必要に応じて部品の交換や調整をお試しください。
キャリパーアームからブレーキシューを取り外し、状態を確認してください。 ブレーキシューに異物が付着していたり、消耗して中の金属が見えてしまっていませんか。 異物が付着している場合は取り除いてください。 消耗している場合はシューの交換時期ですので、新しいものと取り替えましょう。 リムのブレーキシューが当たる部分に汚れが付着していると効きが悪くなるので、リムが汚れていたらパーツクリーナー等でクリーニングしましょう。
ブレーキシューはリムと平行にセットするのが基本ですが、リムに対してブレーキシューが並行ではなく「ハの字」になるよう調整することで、音鳴りを減少または回避させることが可能です。 ブレーキレバーを軽く握ったとき(ブレーキのかけはじめ)にはブレーキシューとリムが接触する面積が少なく音鳴りを防止でき、ブレーキレバーを強く握るに従ってブレーキシューが「しなり」、リムに密着します。 間隔の目安としてシュー先端とリムの距離は、シュー後端とリムの距離より約1mm短くするのが理想です。目視での設定が困難な為、1mm程の厚みのある堅いカード等を挟み設定すると良いでしょう。
※下の画像は説明用の為、フロントタイヤを取り外していますが、実際はタイヤを取り付けた状態でブレーキシューとリムが干渉しない程度に設定します。この設定による、ブレーキ制動への問題は御座いません。
下の画像(左)のように、ブレーキシューがずれたまま使用しているとタイヤに接触してタイヤに穴が開いてしまいます。リムに対して平行に調整するために下の画像(右)の黄色い矢印のネジを六角レンチで緩めて向き、角度、位置を調整してください。
ブレーキワイヤーが引っ張られて(引っかかって)いるかもしれません。 ワイヤーに引っかかりが無いか、まずワイヤーのラインを確認してみましょう。
特に折りたたみ自転車の場合は、フレームを折りたたんだ状態から開いた際に折りたたみ部でワイヤーがたるんでいる場合(※図2)があります。 たるんでいると、ワイヤーのテンションが強くなり、レバーを握っていなくてもブレーキがかかった状態になります。
また、フロントフォークが画像のように進行方向と反対向きになっていませんか?(※図1)
フロントフォークが反対向きになっているとワイヤーが遠回りしてしまい、レバーを握ってもキャリパーがリムを挟めません。 フロントフォークの向きを確認しましょう。
(図1)フロントフォークの向きが反対のまま組み立ててしまっている |
(図2)ワイヤーが折りたたみ部でたるんでいる |
①カラー(A)を赤い矢印の方向へ反時計回りにまわします。ワイヤーの張力が増し、ブレーキレバーの遊びが少なくなります。
②ナット(B)を青い矢印の方向へ戻します。このナットは、調整したカラー(A)がずれないようにするための部品です。
※遊びが少なくブレーキ操作をしづらい時は、逆の動作を行います。この時も、やはりナット(B)はブレーキレバー側へ寄せておきます。